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「実刑・執行猶予・罰金・前科等」に関するお役立ち情報

略式起訴となる基準とその流れ

  • 文責:所長 弁護士 古田裕佳
  • 最終更新日:2023年9月15日

1 略式起訴とは

略式起訴とは、簡易裁判所の管轄事件について、検察官が、公判手続きによらないで、100万円以下の罰金または科料を科する略式命令を請求する手続のことです。

2 略式起訴となる基準

⑴ 罰金刑または科料があること

1のとおり、「100万円以下の罰金または科料を科する略式命令」を請求するものであるから、対象犯罪について、罰金刑または科料の規定がない場合には略式起訴することができません。

このように、比較的軽微な犯罪を対象としています。

⑵ 被疑者が略式手続によることに異議がないこと

略式手続では、被疑者が出頭せず、非公開で、検察官が提出する証拠のみで判断が下されるため、被疑者がその手続きによることに異議がない場合でなければなりません。

3 略式起訴の手続の流れ

⑴ 略式手続について説明、告知

まずは、検察官が、被疑者に対して、略式手続きを理解させるために必要な事項を説明・告知します。

具体的には、被疑者不出頭で検察官の提出証拠のみで判断されること、不服があれば正式裁判の申立てができ、その場合、通常の手続きにより裁判がなされることなどです。

⑵ 異議の有無を確認

検察官は、被疑者に対して、略式手続きによることに異議がないことを確認します。

⑶ 異議がないことの書面作成

検察官が被疑者に対して⑴の説明・告知をしたこと、被疑者が略式手続きで異議がないことを明らかにするために、告知手続書・申述書という書面1通を作成します。

⑷ 略式命令の請求

検察官は、略式命令の請求書に、⑶の告知手続書・申述書を添付して、簡易裁判所に提出します。

⑸ 略式命令の発布

簡易裁判所は、遅くとも略式請求のあった日から14日以内に、略式命令を発付します。

略式命令には、罪となるべき事実、適用した法令、科すべき刑などが記載されます。

罰金に処する略式命令が本人に告知されたときに勾留の効力が失効し、釈放されます。

⑹ 正式裁判の請求

被疑者や検察官が、略式命令の内容に不服がある場合には、その告知を受けた日から14日以内に正式裁判の請求ができます。 

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