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「薬物犯罪」に関するお役立ち情報

覚醒剤の刑罰

  • 文責:所長 弁護士 古田裕佳
  • 最終更新日:2024年5月1日

1 覚醒剤取締法における定め

覚醒剤に関しては、「覚醒剤取締法」という法律によって罰則等が定められています。

同法41条以下に罰則に関する規定があります。

覚醒剤を所持・使用が禁止されていることはもちろんのこと、覚醒剤の輸出入、所持、製造、譲受、譲渡、使用、施用、広告といった行為も禁止されています。

経験上、覚醒剤の所持・使用で処罰されるケースが多いです。

2 覚醒剤の刑罰

覚醒剤取締法には、以下のような罰則が定められています。

⑴ 所持等について(41条の2第1項)

覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者は、10年以下の懲役

⑵ 営利目的所持等(41条の2第2項)

営利目的で、前項(上記⑴)の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役。

又は、情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金

⑶ 輸出入・製造(41条第1項)

覚醒剤を輸出入し、又は製造した者は、1年以上の有期懲役

⑷ 営利目的での輸出入・製造(41条第2項)

営利目的で、前項(上記⑶)の罪を犯した者は、無期若しくは3年以上の懲役。

又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1000万円以下の罰金。

⑸ 使用(41条の3第1項1号)

覚醒剤を使用した者は、10年以下の懲役

⑹ 覚醒剤原料の輸出入・製造(41条の3第1項第3号)

覚醒剤原料の輸出入・製造をした者は10年以下の懲役

⑺ その他

上記のほかにも、他人の診療以外の目的でする施用等の制限又は中毒の緩和若しくは治療のための施用等の制限に違反した場合には罰則が科されます。

3 併科

覚醒剤の単純所持や使用については、10年以下の懲役などと規定されています。

それに対し、営利目的所持等については、「情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金」などと定められています。

このように「及び」とされている場合、併科と言われ、「懲役」と「罰金」の2つの刑罰が課せられるということです。

懲役又は罰金といった「又は」という選択ではなく、同時に課せられるといった点に注意が必要です。

4 罰金

覚醒剤の刑罰は、上記のような懲役や罰金刑に関する定めだけではなく、没収についても定めています。

犯人が所有又は所持していた覚醒剤又は覚醒剤原料については、没収されることとなります(41条の8第1項)。

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