高次脳機能障害における等級認定の検査に関するQ&A
高次脳機能障害における検査はどのようなものがありますか?
高次脳機能障害は、重い後遺症を残しやすい障害ですが、さまざま症状があるため、正確に症状を把握するのが難しい障害でもあります。
その症状を把握するため、神経心理検査が等級認定において大きな影響を及ぼすこととなります。
神経心理検査とはなんですか?
神経心理検査は、高次脳機能障害の有無を調べるために行われる検査です。
言語・認知・記憶などの高次脳機能障害を数値化するなどして、客観的に評価するものです。
高次脳機能障害の典型的な症状として、認知障害(記憶障害、遂行機能障害、注意力の低下など)と人格変化の2つが主に挙げられますが、神経心理検査では、前者の認知障害の程度を把握することになります。
神経心理検査には具体的にどのような検査がありますか?
神経心理検査では、例えば以下のような検査が行われます。
⑴ 知能障害に関する検査
長谷川式簡易知能評価スケール
これは日本では広く用いられている簡易痴呆スケールです。
ウェクスラー成人知能検査
成人用の全般的な脳機能検査になります。
レーヴン色彩マトリックス検査
コース立方体組み合わせテスト
図を示し、それと同じ模様を積木を使って構成するテストです。
⑵ 記憶障害に関する検査
WMS-R(ウェクスラー成人知能検査)
リバミード行動記憶検査
三宅式記銘力検査
聴覚性言語の記憶検査です。
2つずつ対にした「有関連対語10対」と「無関係対語10対」を読んで聞かせたあとに、片一方を読んでもう一方を想起させるテストです。
Ray複雑図形検査
標準言語性対連合学習検査
⑶ 言語機能障害に関する検査
標準失語症検査
実用コミュニケーション能力検査
⑷ 遂行機能障害に関する検査
遂行機能の行動評価法
⑸ 注意障害に関する検査
トレイルメーキング検査
視覚情報を見失うことなく検索、スキャン、処理できる速度から、その人の認知機能を知ることが出来る検査です。
数字を順番に結ぶパートAと数字と五十音を交互に結ぶパートBでとで構成されています。
後遺障害の認定にかかる期間に関するQ&A むちうちの治療費の打ち切りに関するQ&A