障害年金と老齢年金のどちらの方が得なのかに関するQ&A
障害年金と老齢年金は併給できる?
- ⑴ 支給事由が異なる場合は原則併給不可
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公的年金は「1人1年金」が原則的な考え方ですので、支給事由(老齢、障害、遺族)が異なる2つ以上の年金を受けられるようになった場合は、その中からいずれか1つを選択しなくてはなりません。
そのため、例えば、障害年金と老齢年金のいずれも受給できる事由があったとしても、両方を受け取ることはできないというのが原則です。
- ⑵ 支給事由が異なる2つ以上の年金を受けられる例外~65歳以上の場合~
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上記の原則には例外があり、障害基礎(厚生)年金を受けている方が、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受けられるようになったときは、65歳になった以降、以下の①~③のいずれかの組み合わせを選択し、年金を受給することができます。
① 障害基礎年金 + 障害厚生年金
② 障害基礎年金 + 老齢厚生年金
③ 老齢基礎年金 + 老齢厚生年金
※老齢基礎年金+障害厚生年金の2つの年金をあわせて受けることはできません。
障害年金と老齢年金のどちらを受給する方が得になる?
- ⑴ 老齢基礎年金と障害基礎年金の年金額
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ア 老齢基礎年金の年金額
老齢基礎年金の年金額は、20歳から60歳までの40年間に納めていた保険料によって異なります(参考リンク:日本年金機構・老齢年金)。
なお、老齢基礎年金は課税の対象となります。
イ 障害基礎年金の年金額
障害基礎年金の年金額は下表のとおりです(納付要件さえ充たしていれば、老齢基礎年金のように保険料を納めた期間の長短によって金額が変わることはありません。)。
障害等級 年金額 子どもがいる場合の加算 1級 97万6,125円×改定率 <子ども2人まで> 1人あたり22万4,700円×改定率
<子ども3人目から> 1人あたり7万4,900円×改定率2級 78万900円×改定率 ※障害基礎年金は非課税です。
以上のような受給額や税金の観点からして、老齢基礎年金よりも障害基礎年金を選んだ方がよいケースが多い傾向にあります。
- ⑵ 老齢厚生年金と障害厚生年金の年金額
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ア 老齢厚生年金の年金額
老齢厚生年金は、厚生年金に加入していた時の報酬額や加入期間等に応じて年金額が算出されます(年金額=報酬比例部分+経過的加算+加給年金額となります。)。
イ 障害厚生年金の年金額
障害厚生年金の年金額は下表のとおりです(障害基礎年金に上乗せされて支給される金額です。)。
障害等級 年金額 1級 報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金額(22万4,700円×改定率) 2級 報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額(22万4,700円×改定率) 3級 報酬比例の年金額(最低保障額58万5,675円×改定率) 以上のとおり、老齢厚生年金と障害厚生年金は、いずれも厚生年金に加入していた期間や報酬額等によって金額が変わるため、個々人によっていずれが有利になるのかが異なってきます。
いずれの年金を受給した方が有利になるのか気になる方は、一度専門家にご相談されることをおすすめいたします。
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