不動産の相続手続に関するQ&A
最初に行うべき手続きは何ですか?
まずは遺言書があるか確認しましょう。
不動産の相続手続きは、法務局で行う相続登記になります。
相続登記を行うためには、遺産分割協議書又は遺言書が必要となります。
ですので、まずは遺言書が公証役場や法務局、ご自宅や銀行の貸金庫等に保管されているかを確認してください。
遺言書がない場合はどうしたらいいですか?
遺産分割協議書を作成します。
遺言書がない場合は、遺産分割協議書を作成する必要がありますので、相続人間で話し合って、誰がどの遺産を相続するのかを決め、それを書面にします。
遺産分割協議書を作るにあたって、注意することは何ですか?
- 注意点① 相続登記ができる内容にしましょう
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遺産分割協議書は、法務局で相続登記をする際に使用しますので、相続登記の手続きができる内容で作成しなければなりません。
遺産分割協議書の書き方によっては、法務局に持っていっても、「この内容では登記できない」と言われ、遺産分割協議書を作成し直さなければならない可能性もあり得ます。
例えば、遺産分割協議書に記載された不動産の特定性が不十分な場合は、登記手続が進められないことがあります。
遺産分割協議書を作成し直すとなると、単に加除訂正するだけでは済まず、再度、相続人全員から署名や押印をもらわなければならなくなってしまい、非常に手間暇がかかります。
万が一、一部の相続人が同意してくれない場合、手続きがそこでストップしてしまうことになりかねません。
そのような二度手間にならないように、適切な内容で記載をしなければなりません。
- 注意点② 小規模宅地等の特例を受けて相続税を軽減しましょう
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不動産を相続する場合には、小規模宅地等の特例という土地の評価額を最大で8割減額する特例を使用できることがあります。
これは、相続人の誰が、どのタイミングで、どの不動産を相続するかによって利用できる・利用できないが変わってしまいます。
相続税額が大きく異なることになりますので、利用を検討されている相続人の方は、遺産分割協議の前に、相続税に詳しい税理士にも相談することをおすすめします。
法務局に持参する書類は何ですか?
不動産の相続の場合には、遺言書又は遺産分割協議書、相続登記の申請書類、相続人全員の戸籍謄本、相続人全員の住民票謄本や抄本、相続人全員の印鑑証明書、亡くなった方が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本、亡くなった方の住民票の除票、不動産の固定資産評価証明書、不動産の全部事項証明書等が必要となります。
また、これらの書類を取り付けるために市区町村区役所にかかる費用や、登録免許税がかかります。
ご自身で手続きを行わず、弁護士等の専門家に依頼する場合は、その報酬も準備する必要があります。
なお、手続きに必要な書類は、誰が相続人か、誰がどの不動産を相続するのか等の事情によっても、集める書類が異なりますので、詳しくは相続登記手続きにも詳しい弁護士にご確認ください。
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