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弁護士による債務整理@岐阜

「時効の援用」に関するお役立ち情報

時効の援用に失敗するとどうなるか

  • 文責:所長 弁護士 古田裕佳
  • 最終更新日:2020年12月8日

1 時効の援用に失敗する場合

時効の援用は、最後の借入や返済から長期間経過したときに、法律上適切な方法で主張して借金の支払義務をなくす手続きです。

消費者金融やカード会社からの借入であれば、時効は通常5年ですが、判決や裁判上の和解がある場合は、そこから10年間経過しなければ時効の援用は成功しません。

また、債務の承認があれば時効の完成が猶予されるので、実際に返済をしていなくても、債権者と話し合いをして支払の約束等をすれば、時効の援用が成功しないことがあります。

2 時効の援用に失敗した場合の債務整理の手続きの選び方

時効の援用が成功しなければ、何もせずそのまま返済を続けるか、何らかの債務整理を選択することになります。

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産と大きく3種類あります。

このうち、時効の援用ができなかった方が個人再生を選択することは稀です。

個人再生は、裁判所に申請し借金を減額して3~5年間で返済する手続きであり、裁判所が継続的に返済する能力があると認める必要があるのですが、時効の援用を試みる方は長期間返済していない方であり、なぜ今後は返済できるのか裁判所を納得させることが難しいことが多いためです。

そうすると、債務整理の中でも、弁護士が債権者と分割払いの話し合いをする任意整理か、裁判所に申請して借金を0にする自己破産のどちらかを中心に検討することになります。

3 時効の援用に失敗した場合の任意整理の注意点

任意整理では、利息をまけてもらって元金だけの分割払いにしてもらうことが多くあります。

しかし、時効の援用を試みた方は、長期間返済しておらず、利息や延滞金は多額になっているはずです。

それだけ債権者を待たせておきながら元金だけの分割払いをするということは、めったに認められません。

ですので、想定しているより大幅に多い返済額になるのが通常です。

たとえば、遅延利率が20%の債権者に5年間返済していなければ、利息は100%つくので、元金の2倍は返済しなければならないのが通常です。

判決が確定している場合には、差押等の対応も必要となることもあります。

4 時効の援用に失敗した場合の自己破産の注意点

自己破産をする場合は、長期間返済していない間のお金の使い道が問題になります。

つまり、債権者に返済できなくなった後に入ったお金が、無駄遣いや親族への返済に使われていれば、自己破産しても免責されない(借金が0にならない)場合や、親族だけ優先して返済した分を取り返す必要が生じる場合があります。

5 弁護士にご相談ください

このように、時効の援用に失敗した後の債務整理には特有の難しさがありますが、経験のある弁護士であれば、何らかの解決をみることが多いでしょう。

詳細は、弁護士までお尋ねください。

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