交通事故における16条請求について
1 16条請求って何?
16条請求とは、交通事故に遭った被害者が、加害者が加入している自賠責保険会社に対して、直接、損害賠償請求をすることを言います。
自動車損害賠償保障法16条に根拠があるため、16条請求と言われます。
そのほかには、「被害者請求」と言われたりもします。
2 どういった場合に16条請求を行うのか
交通事故に遭い、加害者が任意保険に加入している場合、通常、加害者加入の任意保険会社が治療費の支払いや示談金の支払いに応じてくれますので、16条請求を行う必要は多くはありません。
では、どのような場合に16条請求を行うのでしょうか。
⑴ 任意保険会社が一括対応をしてくれない
例えば、事故と受傷との因果関係を保険会社が争う場合、治療費の支払いに応じてくれないケースがあります。
そのような場合、16条請求を行ったりします。
ただし、16条請求であっても、自賠責保険も事故と受傷との因果関係を認めなければ、自賠責保険からも治療費が支払われませんので、16条請求であれば必ず支払われるわけではないことに注意が必要です。
⑵ 過失割合が大きい場合
被害者の過失が比較的大きい場合、自賠責保険での請求の方が有利な場合がありますので、その場合には、16条請求の方を選択することも考えられます。
⑶ 後遺障害等級認定申請を行う場合
16条請求を行う場合で、多いケースとしては、等級認定申請ではないでしょうか。
もちろん、加害者側任意保険会社を通じて認定申請を行うこともあります。
しかし、以下のような観点から、等級認定申請は16条請求で行うことがあります。
①被害者自身が、後遺障害診断書など、自賠責保険会社に提出する書類を事前に確認できるので、特に後遺障害診断書については自分の自覚症状などが的確に記載されているか確認することができる。
②等級認定がされた場合、示談成立前に、等級に応じた自賠責保険金を受領することができる。
以上のようなメリットが16条請求にはあります。
しかし、自分で必要書類を収集しなければならないという手間がかかるというデメリットもありますので、16条請求を考えられている場合には、弁護士等にご相談・ご依頼ください。
ご依頼いただいたら、弁護士が代理人として、被害者の代わりに必要書類の収集や提出などの手続き、自賠責保険会社・自賠責調査事務所とのやり取りなどを行います。
交通事故で健康保険は使えるのか 遺言作成について弁護士へのご相談をお考えの皆様へ