交通事故で示談がまとまらない場合の対応方法
1 交通事故に遭った際の示談交渉
交通事故被害に遭い、加害者に対して損害賠償請求をする場合、いきなり裁判をすることは少なく、まずは示談交渉からスタートすることになります。
これは、示談交渉によって双方が合意すれば、時間をかけずに解決することができ、被害者の方が早期に賠償金の支払いを受けられるというメリットがあるからです。
とはいえ、すべての事案で示談がまとまるわけではありません。
ここでは、示談がまとまらなかった場合にどのような対応方法があるかについてご説明します。
2 示談がまとまらないケース
示談がまとまらないケースは様々ですが、一例をあげると、両当事者の主張が食い違っていて過失割合に争いがあるケース、損害額に争いがあり折り合いがつかないケース、後遺障害の認定結果が相当でないと主張するケースなどがあります。
このように合意に至らず示談がまとまらないケースでは、それ以外の方法で解決を目指すことになります。
3 示談がまとまらない場合の対応方法
示談がまとまらない場合、次のような手段を検討することになります。
- ⑴ 訴訟提起
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示談交渉がまとまらず、今回の紛争については裁判官に判断してもらうのが適切と考えられる場合には、訴訟を提起することになります。
訴訟提起をした場合、裁判官による判決が出るか、裁判の途中で和解が成立するまで争うことになります。
解決するまでには、半年以上、場合によっては数年かかることもあります。
- ⑵ 民事調停
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裁判所における話し合いでの解決を目指すのが民事調停です。
これは裁判所における手続きですので、話し合いがまとまり、調停成立となれば、確定判決や和解調書と同様の効力が得られます。
ただし、当事者のどちらか一方でも調停案に不同意だった場合は、調停は成立せず、通常、訴訟に移行することになります。
事案によっては長引くこともありますが、民事調停は3回程度で終わることも多く、訴訟と比べれば時間的負担が少ないといえます。
- ⑶ 示談あっせん
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交通事故では、「紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」という機関において、担当弁護士が間に入って示談のあっせんをすることもあります。
この手続きは、訴訟を行うよりも短期間で終わるケースが多く、早期解決が期待でき、また、無料で利用できるというメリットがあります。
他方で、これらの機関による示談あっせんを受けるためには一定の要件があり、手続きを利用できない場合がありますので注意が必要です。
また、あっせんが不調に至り、示談が成立しなければ、訴訟等の手続きへの移行を検討することになります。
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