障害年金と生活保護の関係
1 生活保護を受けているが障害年金の申請をお考えの方へ
生活保護を受給している方の中には、障害も持っているため障害年金の申請を考えているという方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、生活保護と障害年金の関係について簡単に解説しますので、参考にしていただければと思います。
2 生活保護と障害年金の両方を受け取ることはできない
まず、生活保護費と障害年金の両方を満額受給できる、というわけではありません。
生活保護を受給している方が障害年金の認定を受けた場合、生活保護費から障害年金として受給する金額が差し引かれることになります。
これは、生活保護が、国民の最低限度の生活を保障するための制度であり、障害年金という別の制度によって最低限の生活が保障されるのであれば、そちらを優先的に利用すべきだという考え方に基づいているためです。
3 障害年金の申請をするメリット
⑴ 障害者加算を得られる場合がある
障害年金の申請をしても、生活保護費から引かれてしまうのであれば、結局受け取る金額は変わらないのでは、と思われるかもしれません。
しかし、地域によって金額等は異なりますが、障害年金の1級や2級に該当する場合には、生活保護費に障害者加算が付くことがあります。
その場合には受給できる金額が変わります。
⑵ 生活保護の制約から脱却できる
生活保護には、所有できる財産(家や車など)に制限があったり、仕事をして収入を得た場合にはその分支給される金額が減らされるなどの制約があります。
しかし、障害年金を受給している場合、所有できる財産に制限はないため家や車を自由に持つこともできますし、働いて収入を得られるようになった場合には障害年金に加えて給与収入を得ることも可能です。
また、障害年金で支給されたお金の使い道を問われることもありません。
生活保護を打ち切って制約のない生活に戻りたいとお考えの方にとっては、障害年金を申請するメリットがあるといえます。