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弁護士法人心 岐阜法律事務所

相続放棄をすると生命保険は受け取れなくなるのか

  • 文責:所長 弁護士 古田裕佳
  • 最終更新日:2023年4月17日

1 受取人が相続人の生命保険の場合

相続放棄をしても、死亡保険金を受け取ることができます。

契約者が被相続人、被保険者が被相続人、受取人が相続人の死亡保険などの生命保険は、被相続人がご存命の間は、被相続人に権利があります。

ただ、被相続人が亡くなった後は、生命保険は受取人の権利となりますので、生命保険は、被相続人の相続財産ではないことになります。

したがって、相続放棄をした場合でも、相続人は生命保険を受け取ることができます。

2 受取人が被相続人の生命保険の場合

この場合は、相続放棄をすると死亡保険金を受け取ることができません。

よくある保険としましては、契約者が被相続人、被保険者が相続人、受取人が被相続人となった保険です。

これは、相続人が亡くなった際に被相続人が保険金を受け取ることもできますが、それが主目的ではなく、相続人が存命のまま満期がくると、被相続人に満期受取金が支払われるような養老保険などによくみられます。

このような保険の場合、受取人が被相続人となっていますので、被相続人が亡くなると、生命保険会社に対する死亡保険金の支払請求権が相続財産となります。

そうなりますと、相続人が相続放棄をすると、死亡保険金の支払請求権も放棄することになりますので、相続人は生命保険を受け取ることができなくなります。

3 生命保険の特約金にご注意

多くの生命保険契約には、オプションとして特約金を受け取ることができることがよくあります。

この特約金の中には、例えば、主契約の死亡保険金は相続人が受け取ることになっているものの、保険契約者である被相続人が入院したときには被相続人に入院給付金が支払われるといった形式になっているものもあります。

このような場合は、相続放棄をしても、主契約の死亡保険金については相続人が受け取ることができるものの、特約金部分は受け取ることができないといったこともありますので、保険証券や約款をよく確認することが必要です。

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